雑誌やブログ,ニュースサイトなどで「お金持ちの習慣」を題材にした記事をよく見かける.お金は人類共通のテーマであるため,「記事を読んだらお金持ちになれる」と考える人が多くサイトビューが増えるのだろうか.そしてこの記事の内容は大体似たり寄ったりである.よく見かけるのは1億円を貯金した人の習慣として「生活レベルを上げない」「自分にボーナスをあげない」「浪費をしない」「質のいいものを長く使う」「お金で時間を買う」といったような内容である.以前はこれらの内容を鵜呑みにしていたが,最近はいろいろ思うことがある.
そもそも1億円の貯金が必要なのか
確かに普通に生活をしていて1億円が溜まるならばあったほうがよい.ただ,上記の「生活レベルをあげない」や「自分にボーナスをあげない」といった項目は要するに我慢するという事であろう.我慢することは悪いことではない.自分を含め多くの日本人は普段の生活で何らかの我慢は必要であるのは理解できる.しかし我慢だけする人生というのは果たして楽しいのであろうか.ストレスは溜まらないのであろうか.我慢だけし続けてお金を使わずに生涯かけて1億円を手にして,その時に何が残るのか.そもそもお金はためることではなく,使うことで価値を発揮する.使うことを目的とした貯金ならば意味があると思うが,何となく我慢し続けて行う無理な貯金に果たして意味があるのだろうか.生活レベルをあげたらダメなのだろうか.頑張って稼いだお金で「自分の好きなことをする」ことは果たして悪いことなのであろうか.大事なことは「無理して貯金すること」ではなく「自分の稼いでいる範囲で,稼げる範囲でうまくお金を使っていくこと」ではないだろうか.
沖縄の人は日々を楽しんでいる.
沖縄県は収入ワースト1位の県である.よくあるバイトの広告には時給が記載されていると思うが,その欄には850円とか820円とか記入されている.関東にいた頃は1000円台を見かけることが多かったので,時給だけみてもいかに賃金が安いのかよく分かる.
だが,沖縄県人は毎日を楽しんでいる印象である.海でBBQをする若者達,自然公園でピクニックを楽しむファミリー,近場の公園で子供と戯れる人達.皆笑顔で過ごしている.
「お金は大切だけど,全てではない」「お金は手段であって目的ではない」と感じる今日この頃である