朝5時。静寂の中で自然と目が覚める。前日は子供の寝かしつけで一緒に寝てしまったので睡眠時間は十分だ。

3日目の目的地はカンチャナブリーだ。列車はタンブラー駅から出発する。ホテルからはかなりの距離がある。スクンビットに宿をとっている場合は移動に1時間はみておく必要がある。タクシーの方が早いが、バンコク市内の通勤ラッシュ時の渋滞は激しい。到着時間が読めないため十分に余裕をもちたい。

子供の起床を待ち6時40分には出発した。Grabでタクシーを手配しタンブラー駅へ急ぐ。

7時15分に到着。出発時刻30分前、予定通りだ。朝食を食べる時間がなかったので心配していたが駅の目の前に市場が広がっており、弁当もたくさん売っている。

もちろん説明はないので中身がなんなのかよくわからないが、子供が食べれそうなご飯物を調達した。

弁当一つが25バーツで格安だ。タイはレストランやカフェで食事すると日本と同じかそれ以上のコストがかかるが、屋台は非常に安く食事が入手できる。弁当を3つ購入し目的の電車に乗り込んだ。

車内での食事中にカフェを発見!タイにきてから大好きなコーヒーを堪能できていなかったので、出発時間まで余裕があることを確認しコーヒーを入手した。

定刻の7時45分に電車は出発した。一昔前は日本の電車の定時運航が評価されていたが、今はそういった国が増えてきているのかもしれない。今後、日本が世界に誇れる事は残るのか、新しく誇れることが出てくるのか楽しみだ。

列車内にエアコンがなく窓を全開にしている事には驚いたが、走行中は風が入ってくるので蒸し暑くはない。

列車旅は順調だ。子供が寝入ったので、車窓からの風を浴びながら読書タイムを楽しむ。

ところが突然の轟音とともに列車が急停車した。激しいGを感じる。

なんと交通事故が生じたようだ。

順調だった旅に暗雲が立ち込める。

車と衝突したようで警察が到着していた。あまり被害は大きくなかったようで、20分ほどの停車時間で無事に再出発することができた。

事故の影響で予定よりも15分ほど遅れてカンチャナブリーに到着した。ここまでで3時間の列車旅だった。

ここからは旧日本軍とゆかりがある泰緬鉄道に入る。見所はいくつかあるようだ。途中下車して観光を楽しむことができる。ただし運行本数が少ないので復路の発車時間には注意が必要だ。

僕らはグラセー川橋をみるために同名駅で下車した。カンチャナブリーから1時間20分ほど。車内での案内はないので降車場所には注意が必要だ。

バンコクから4時間も電車に揺られ、何もしていないのにものすごい倦怠感に襲われる。大人でも辛いので、子供はもっと辛いだろう。大人しくしておいてもらう事に神経を使う。

漸く目的地に到着した。駅を降り立つと小さな商店が軒を連ねている。早朝に出発したがすでに昼時だ。

復路の出発時間まで時間がない。まずは腹を満たす事にする。

そうは言っても選択肢はなく目についたローカルな食堂に足を踏み入れた。

電気もついておらず店内は真っ暗。犬や猫が闊歩しており怪しい雰囲気に満ちている。

怪しいが腹が減って仕方ない。壁に飾られたメニューの絵を頼りにトムヤムクンをオーダーした。料金表もなく英語も通じないので心配で仕方ない。

心配していたが出てきたものは比較的まともな物だった。スープ2品と水2本で150バーツ、文句はない。

グラセー川橋は断崖絶壁に設置された木造橋である。この橋は電車が通り過ぎた後に歩いて渡ることができる。

電車が通るときはギシギシしていたが、歩いている分には何の変哲もないただの橋である。記念撮影を行っても定刻まで時間は十分に残っている。

13時35分予定通りに汽車に乗り込んだ。

帰りもまた4時間の旅路である。長時間乗車し、やっとたどり着いたと思っても、簡単に言えば橋を歩くだけであった。旧日本軍に関して造詣が深いならば感慨があるのかもしれないが、そうでなければ1日を費やして、かつ幼児を連れての観光には向かないと感じる

時間を持て余しているならば行ってもいいが、そうでないならば別のスポットを優先する方がいいかな。