この旅も終盤になった。残り2日の舞台はチェンマイだ。バンコクからはかなりの距離があるので移動には飛行機の利用が現実的だ。幼児を連れているとタイムパフォーマンスが重要である。

飛行機に乗り1時間15分ほどでタイ国第2の都市であるチェンマイに到着した。

チェンマイ1日目はバンコクからの移動時間が長く到着した頃には昼を回っていた。空港からホテルの移動はもちろんGrabを利用した。

本日の宿はカンタリーヒルズチェンマイだ。ニマンヘマン通りにあり旧市街からはかなり距離があるホテルだが、価格の割に部屋は非常に広く、各種設備が整っており快適だ。子供が小さいうちは走り回って遊ぶスペースがあると、楽しそうで機嫌もよくなり親の精神的にも楽になるので有難い。

しかしこのホテルの所在地は空港からは旧市街より距離があり交通費は割高になってしまう。市内の観光地は旧市街に集中しているため移動のために余計な交通費がかかってしまった。

まずは昼食を探しに街歩きを始めた。

歩道の段差は高い。街路樹により面積は狭い

バンコクもそうだったが、チェンマイでも歩道は高い段差で構成されている。スロープもないので、歩道を歩こうと思うと乗り越える必要がある。

脇道がある度に歩道が途切れ、乗り越え直す必要がある。大人だけならばそれほど問題はないが、ベビーカーを連れているとストレスフルである。

場所によっては歩道があるのに、ベビーカーを転がせるスペースがない場所も多々ある。

タイではベビーカーを使っての観光は全く向かない。移動はタクシーのみにすると楽だが、子連れで現地を歩くのも旅行の楽しみの一つだと思う人には残念な旅先だ。

地元のチェーン店BLACK CANYON
やっぱり辛いトムヤムクン

チェンマイ2日目。いよいよ観光できる最終日となり、チェンマイ郊外の観光を予定していた。目的地は2ヶ所、有名な首長族と会える村とチェンマイで一番名所らしいドイステープという寺だ。

どちらも旧市街から車で40分ほどの位置にあるので歩いてはいけない。しかも方角が違う。Grabを利用すると行きは何とかなるが、帰りの足がなくなってしまう。観光ツアーを利用すれば楽だが、もちろん予約はしていない。旧市街にホテルをとっていればその辺にいるソンテウやタクシーで往復の交渉ができるようだが、カンタリーヒルズチェンマイがある周囲には観光者向けのそれらが集まっている場所はない。

仕方ないのでひとまずGrabを呼び車内で交渉する事にした。

車内に入ると運転手の方から話し出した。

タクシー)首長族の村に行くのはいいが帰る手段がないぜ。俺をチャーターするか?待ち時間もあるから3時間の拘束でGRABの料金に1500バーツを上乗せしてもらうがな。

僕ら)高すぎる。安くしてくれ。現金もないからGRABで追加料金を精算してくれ

タクシー)ダメだ。意味が分からない。現金にしてくれ。

僕ら)せめて上乗せ1000バーツはどうだ。

タクシー)Grabでも230バーツ払ってるから合計1230にしてやろう。上乗せは現金でよろしく

僕ら)仕方ない。

タイ語での会話だったので意味が通じないところが多かったが、大まかにはこんな感じだった。高いと思ったが、フライトの予定もあり時間がない。新しいタクシーで交渉し直す時間も勿体ないためこの金額で妥協した。

交渉の後、タクシーはホテルを出発する。車を走らせる事40分ほどで目的地に到着した。

村の近くにはタイガーキングダムという有名なスポットがあり人がたくさんいたが、村の方には観光客らしき姿は見えない。

本当に場所は合っているのか…

しかし入り口にはLong neckの看板が設置されている。間違いではなさそうだ。

チケット購入を促されたため売り場へ向かう。なんと一人500バーツという高額な入場料がかかるようだ。

ここまできてしまったら仕方がない。江戸村のような観光スポットだと言い聞かせ入場料を支払う。

タクシー料金と合わせたら2000バーツも支払ってしまい、ほぼ現金を使い果たしてしまった。タイは現金文化のため現金がないとできないことが多い。焦りが募る。

首長族の村は高床式の建物の前に露店が並んでいるようだ。

住民は疎らで静かな場所だ。首長族が店先に鎮座している。スマホを弄っていたり、織物をしたりしている。首を長くしているのは女性だけ。本当に首が長い人もいる!だけど多くの女性は首に装飾品をつけてはいるがあまり首が長い印象はない。

彼らの写真を撮りたいならば商品を買って欲しいようだ。商品の値段もわからないし、タクシーで現金がなくなってしまったので購入できない。

そんな時、村の子供達が走り回ってきた。彼らに紛れて息子も走り始め一緒に戯れ始めた。子供達を撮りつつ首長族の女性の写真を何枚か撮らせてもらう事に成功した。息子の功績により何とか成果を得る事ができた。

もう一つ観光したい場所が残っている。そちらを回ってからだとランチが遅くなり息子の機嫌が悪くなる。10時50分、少し早いが一度ホテルに戻り昼食を摂る。

フライトまで時間がないので、味に外れのないホテルのレストランを利用した。ボンゴレ250B、マルガリータ340B、飲み物2つ160Bとサービス料をとられ880B、日本円で3700円になった。屋台でタイ料理を食す以外は高くなるのは仕方がない。ホテルのレストランならば舌にも合うし必要なコストだと思う。

食後に再度Grabでタクシーを呼ぶ。次の目的地はドイステープ、山の中にある寺だ。またしても帰りの足がなくなるから自分をチャーターしなさいと交渉が始まった。

比較的英語が通じる人だったので、今度は片道料金の2倍である800Bで交渉できた。

曲がりくねった山道に揺られ40分ほどで目的地に到着した。駐車場からは階段とロープウェーの選択肢がある。大人だけならば階段を利用するが、子供がいて大変なのでロープウェーに課金した。と言っても参拝料込みで100B/人なので高くはない。

ドイステープは金色に装飾された寺の美しさが魅力だが、すでにタイ国内で金色の建築物をたくさん見物してきたため感動は薄い。

チェンマイ市内を一望できる展望台にも周り記念撮影を行いった後に帰路に着いた。

そこからホテルで荷物をピックアップして空港に向かってもらった。フライトの2時間前に空港に到着する事ができた。

バンコクに戻り予約してあったエアポートホテルで一泊後に帰国した。

幼児連れのタイ旅行で思った事

タイの物価は日本よりもだいぶ安いイメージでいたが、実際に行ってみるとそんなに安くなかった。食事はある程度の質を求めると日本よりもコストがかかる。屋台で満足できるならば比較的安い。

タイ料理は僕の舌には合わなかった。食べないとエネルギー不足で体調不良になるので、何とか腹に入れたが、とにかく食事が辛かった。屋台料理が口に合わない場合は、コストをかけてホテルのレストランやマクドナルドなどの世界的チェーン店を利用すると安心だ。

ホテルと国内線のフライト料金は日本より安い。

観光地を歩きたいならば、歩道の段差がひどくベビーカーだとストレスフルだ。交通量もおおいので、子供が歩ける年齢になってからか、全部抱っこでの移動がいい。ベビーカーは勧められない。

タクシーはGrabを利用すれば運転手と会話する必要もないし、基本的に交渉の手間もないので非常に便利。手配すると10分待つことはなく配車は迅速だ。子連れならばタクシーは大いに活用する価値がある。

9月のタイはスコールのある時期だ。真夏ではなく日中は曇り空の事が多いが非常に暑い。体感的には沖縄より辛い。

ホテルで洗濯した場合、室内干し一晩では下着のような薄いものでも乾かない。連泊ならば干しっぱなしで何とか乾かす事ができる。

スマホの翻訳アプリで便利な世の中になったが、できるならば言葉は話せた方がいい。やっぱり英語ができると旅行は非常に快適だと思う。タイでも英語が話せる人は多い。アプリで一手間かけるのと、直接話せるのはやはり違う。グローバル化で英語での会話能力は今後必須になるのではないかと思う。完璧でなくてもいい、そもそも日本人にネイティブな英語は無理だ。僕も英語は得意ではないが、通じればいい、文法間違いなどは恥ずかしいと思わずにどんどん使っていきたい。

思ったより大変な旅行だった。疲れを癒すための休暇なのに、とても疲れた。大人だけの時よりも気を使う事が多く精神的にも疲れた。観光スポットをもう少し絞って、ホテルでのんびりする時間を増やした方がよかったかな。