冬休みが始まった。沖縄から北海道へ、家族3人の冬の旅がいよいよスタートする。

朝6時半に起床し、出発の準備を整えた。那覇空港へ向かう前にショッピングセンターに立ち寄った。これは、飛行機の中で息子がぐっすり眠れるように、思いきり走り回って疲れてもらうためだった。子どもは無邪気に駆け回り、笑顔を振りまいていた。新しい世界を知るのは楽しいことだ。まるで今回の旅のように。

 しかし、旅の始まりは思わぬハプニングからだった。冬の嵐の影響で、予定していたフライトが100分遅れ。もともと綿密に立てたスケジュールは、すでに大幅に崩れ始めていた。

 ようやく飛び立った飛行機は、厚い雲を抜けて北海道へ向かう.機内で私たちはひそかに胸をなでおろした。息子がぐずらずにいてくれるか心配だったが、ショッピングセンターで遊ばせた作戦が功を奏したようだ。遊び疲れた彼は、離陸して間もなくスヤスヤと眠りについた。国内線にしては長めのフライトだったが、大きなトラブルもなく乗り切ることができた。

新千歳空港に到着した瞬間、窓の外は白銀の世界だった。沖縄の温暖な空気とはまるで別世界。初めての雪に、2歳の息子は目を丸くしていた。

 だが、ここでも試練が待っていた。吹雪の影響でJRが運休し、再開した途端に駅は大行列。やっと乗り込んだ電車は、東京の通勤ラッシュのような満員状態。子どもを抱えながらの移動は想像以上に大変だった。

 札幌駅に到着すると、目の前に広がるのは沖縄とはまるで異なる大都会の景色。関東に住んでいた頃、よく通った鼎泰豊(ディンタイフォン)を見つけ、久しぶりに訪れることにした。熱々の小籠包を頬張り、冷えたビールを一口飲むと、移動の疲れがふっと溶けていく。長時間の移動でくたくただったが、この瞬間だけは心地よい満足感に包まれた。

 本来ならば、札幌駅からホテルまでは地下鉄で移動し、最寄り駅から徒歩5分の予定だった。しかし、外に出ると想像以上の寒さに心が折れた。冷たい風が頬を刺し、雪が容赦なく降り積もる。これでは小さな子どもを連れての徒歩移動は厳しい。そこで、急遽タクシーでの移動に切り替えることにした。

 だが、タクシー乗り場には長蛇の列ができていた。途方に暮れ、絶望的な気持ちになる。配車アプリで手配しようと試みたものの、札幌駅構内では配車できないという無情な現実を突きつけられた。仕方なく、雪道を少し歩いて駅の外でタクシーを拾うことに。凍えそうになりながらも、ようやく乗車できたときの安堵感は言葉にできなかった。

 本来ならば、ホテルにチェックインした後、夜の札幌雪まつりを楽しむ予定だった。しかし、飛行機の遅延と長旅の疲れで、そんな気力はもう残っていなかった。明日に備えて、早めに休もうと部屋に戻った。

 ところが、旅の試練はまだ終わっていなかった。

 部屋で一息ついた頃、ホテルのスタッフから電話がかかってきた。

 「申し訳ございません。ご案内したお部屋を間違えてしまいました。正しいお部屋にご移動いただけますでしょうか?」

 まさかの展開に呆然としたが、仕方がない。再び荷物をまとめ、家族で移動。どっと疲れが押し寄せたが、明日からはきっと素晴らしいことが待っているはず。そう自分たちに言い聞かせ、ようやく眠りについた。

 こうして、波乱の幕開けとなった北海道旅行の初日が終わった。