パソコンは重要な道具である
大学入学した頃から現在まで何台ものパソコンを購入して日常的に使ってきた.今はスマートフォン全盛の時代であり,パソコンを持たずに日々を過ごしている人も多いと思う.確かに日常生活にスマホがあればほとんどの作業ができなくもない.常に持ち歩いてるので,いつでもどこでも,トイレで用を足しながら,人によっては歩きながらでも使用する事ができる.なぜ今の時代にパソコンを使う必要があるのだろうか.ボクはスマホは「消費の道具」であると考えている.そしてパソコンは「消費もできる」が「創造もできる」と考える.「消費」と言うことは,お金を生み出すことはない.制作者が制作したコンテンツに対してお金を払い消費して楽しむと言うことだ.逆に創造は,今の世にないことを自分の力で生み出すことであろう.よって「創造」はお金を生み出す可能性がある.パソコンを使ってコンテンツを作り,それを世に出して当たればお金を得ることができる.最近流行のユーチューバーなどはその典型であろう.ボクら医者のコンテンツは研究会での講演や,依頼された記事の執筆などの事が多い.それらはパソコンでないとなかなかうまくコンテンツを作成できない.記事の執筆程度であればスマホでもできなくはないが,文字変換の問題もあるし,全体像の把握の問題もあるし,パソコンで行うのが通常であろう.そして作成中は,常に何かを参照しながら作成していることが多い.同時に色々な物を参照しながらの作成になるので,マルチタスクが得意なパソコンが道具として選ばれるわけである.
どんなパソコンが必要か
自宅に書斎があり,作業のほとんどを自宅で行うならばデスクトップパソコンがよいだろう.ディスプレイは大きく,スペックも高く,スペックに対する費用も安価である.しかし多くの医者は悲しいかな,自宅で過ごす時間よりも職場で過ごす時間の方が圧倒的に長い.患者さんのデータを参照しながら書類作成したりすることもあり,パソコンが移動できる方が効率がよい.職場にも絶対にパソコンが必要である.自宅はデスクトップパソコン,職場用にノートパソコンをもっている人もいる.ファイルの同期が確実ならばそれはよい手段であろう.ボクも以前はそうしていた.だが,やはり同期が不確実で時々ファイルが更新されていない場合やサーバーの不具合でファイルが最新でない事象が生じうる.その状態でファイルを変更した場合,競合という事が起きてしまい,復元に時間を要してしまう.そんな事で手間暇かけるのは時間の無駄なので,いまはノートパソコン1台で運用している.大きな画面で作業したいときはディスプレイにつなげるだけでよいし,そのまま移動して作業もできる.もちろんパソコンが1台しかないのでファイル更新の問題など生じない.普段から使っているとどういったパソコンがよいかというのは何となく分かってくる.
現時点でボクが使いたいと考えるパソコンは以下を満たしたパソコンである.それぞれ理由とともに考えてみる
1.移動をよくするので軽量なノートパソコン
ほぼ毎日自宅と職場に持ち歩く,歩いたり走ったり自転車に乗ったりする.1日ならば気にならないが,毎日となると重い物はストレスになって持ち運ばなくなる=使わなくなる.よって軽い方がよい.毎日持ち運ぶのに適正な重さは1.3kg以内くらいと考える.できれば1kg前後だと最高.ただ軽いと強度が犠牲になってくる.持ち運ぶ機会が多い場合,外装がチープな物だと破損のリスクが高くなる.壊れたらデータの復元などでまた無駄な手間がかかるので,丈夫であることは重要な条件である.ケースにいれるという選択肢もあるが、ケースにも重量があるし頑丈なケースほど必然的に重くなる.そしてケースにいれると厚みも増す事になり,無駄なスペースが必要になる.カバンから取り出して,ケースから取り出すという無駄な手順も生じる.ケースもタダではない.様々な無駄が生じるのでケースは使いたくない.パソコン自体が頑強な方が合理的である.
2.その時点で最高のCPUを積んでいること
CPUとはパソコンの頭脳である.CPUは毎年新しい物に更新されている.おそらく5年前のパソコンと現在のパソコンは性能において超えられない位大きな壁がある.OS側もソフト側もその時点でのPC性能を基準にして制作してくるので,一昔前のパソコンスペックだと使用はできるが,快適に動かないという事が生じうる.少し待たされたりまったりした動作でも気にならない人はよいが,ボクはパソコンがキビキビ動いていないとストレスを感じるタイプであるので,スペックがよい必要がある.ノートパソコンモデルのCPUは熱処理の問題で,ただでさえデスクトップモデルに比べ性能を抑えられている.よって,ノートパソコンモデルで選べるその時点での一番良いCPUが,長く使っていくにあたり最もストレスが少ない選択肢なのではないかと考える.購入するときに,通常モデルより数万円ほど高価になるが,使える期間が長くなり,使用期間中のストレスも減るので費用対効果はよいと思う.現段階では,メモリは8GBが一般的となってきているので16GBを積んだ物で,ストレージは自分が必要な量としている.ストレージは今ならばSSD512GB以上と考えている.
3.使っていて耳障りなファンの音がせず,かつパソコンが熱を持たない
パソコンは様々なパーツの組み合わせでできている.動くパーツは熱を持つ.特にCPUは発熱が大きく,スペックのよいCPUほど発熱が大きくなる.ノートパソコンは小型化してきており熱処理がうまくないとパソコン全体が熱をもち,場合によっては触っていられないほどに熱くなる事もある.特に掌をおいているパームレストやキーボード面は人体と直接接しており,直接の影響を受けやすい.ある程度熱を持つと,キーボード作業をしているだけ手が熱くなり不快な思いをする.またCPUがうまく熱処理でてきないと,CPU自体が性能を落として省エネモードに入ってしまい,処理が遅くなってしまう.どんなにいいCPUを積んでいても省エネモードに入ってばかりのパソコンでは,宝の持ち腐れになってしまうので熱処理ができているかどうかは重要なのである.熱処理のためにファンが搭載されているが,このファンの音がパソコンによってかなり異なる.ほとんど耳障りにならないパソコンもあるし,爆音を奏でるものもある.以前に使用していた2015モデルのVaio Zなどはその時点での最高のCPUであったが,熱処理がうまくなく,ファンも爆音で使用中の満足度はとても低いものであった.ファンの音が気にならない人はいいが,ひどいと周りの人にも迷惑をかける事もあるので注意が必要である.
4.キーボードが打ちやすいこと
パソコンではキーボードとマウスを用いてデータの入力を行う.ノートパソコンの場合はマウスがない場合はタッチパッドを使用する.最近ではタッチパネル搭載の物も存在する.音声入力ができるものもあるが,現時点では入力は圧倒的にキーボードであろう.特に文字入力はほどキーボードにより行われていると思う.キーボードの打ち心地は作業効率に強く影響する.打ち損じが多い場合修復の作業も多くなる.一つ一つは長時間にはならないが,積み重なると1年間では何日という単位になることもある.「塵も積もれば山となる」である.打ちやすいキーボードで打ち損じが少ない方が圧倒的に時間を節約できる.
5.ディスプレイは13型以上がよい
ディスプレイは大きいほど作業効率がよくなる.しかし,ディスプレイサイズは運搬性能とトレードオフである.最近はパソコンの本体はそのままに画面サイズが大きなものが登場してきている.視認性を考慮するとディスプレイの大きさとして13型以上は必要である.できれば14型がよい.重くないならば15型がよいがそうすると重量が1.5kgを超えてきてしまうので持ち運びが困難となる.
6.Windowsパソコンが良い
別の記事でも書いたが,今はMacを使っている.Macを2年使用し,次は絶対にWindowsにすると決めている.
条件は人によって違うはず
バッテリー性能やディスプレイの繊細さ,デザインの美しさをパソコン選びの条件に挙げる人もいるだろう.どんなパソコンがよいかはもちろん人によって違うわけで,上記はボクが必要だと思う条件である.色々な人がいるから多くのメーカーから様々な商品が出ているのである.ボクの場合は,バッテリーは6時間も持てば十分である.6時間もあれば自宅を出て,よく行く沖縄までずっと作業して宿に着くまでバッテリーが切れる事はない.普段はそもそもすぐに電源が得られる場所で作業しているうえ,最近のパソコンはUSB-Cの汎用充電器で充電もできるので,バッテリー性能はあまり重視していない.ちなみにパソコンの詳細にあるバッテリー持続時間は,絶対に不可能な時間を表示している誇大表示である.経験的に表示時間の半分程度が実使用でのバッテリー持続時間と考えている.大きくは外れていないと思う.
パソコン購入費用はどう考えるか
パソコンは消耗品である.以前に比べて長く使えるようになってきているが,いきなり動かなくなる事もある.バックアップをとっていなかったらデータの復元が大変だし,最悪復元できないこともある.よってある程度の期間を目処に買い換えるようにしている.個人的な目安としては,動作のもたつきが多くなり待たされることが購入当初に比べて目立ってきたときにしている.買ったときのスペックによるが2-5年くらいが当てはまると思う.そしてパソコンの購入費用は月換算で5,000-6,000くらいが妥当ではないだろか.20万円のパソコンならば3年くらい使えば妥当かなという感じである.他の人はどんな風に考えているのだろうか.